年が明けると、大変わずらわしいと言われる個人事業主のための確定申告の時期がやって参ります。日頃から弥生会計などの手軽なパッケージソフトを使用して準備している人と、そうでない人、税理士の先生と顧問契約を結んで委託をしてしまう人など様々だと思います。
今回は、個人事業主の会計でお馴染みの勘定でもあります[事業主貸]と[事業主借]について、決算処理で振替仕訳が必要かという点につきまして、理論づけて説明します。
[繰越処理]で次年度データを作成したときに、自動的に[事業主貸][事業主借][控除前の所得金額]が振り替えられて、次年度の[元入金]へ集計されます。
そのため、決算締めとしての[事業主貸]と[事業主借]の振替仕訳は不要です。
※ 補足: 自動計算された[元入金]の翌期首残高は、以下の式で求めた金額と一致します。
[元入金]の翌期首残高=[元入金]期末残高+[事業主借]期末残高+[控除前所得金額]-[事業主貸]期末残高
講習会でも質問が多い内容ですので、皆さんも参考にしてください。
ITスクールインストラクター 田口 智